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第8話
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ダウロスがミテラを新しく婚約者としてから、1週間が経っていた。
リオンから魔法学園で何が起きているのかを私は聞いているけど、ダウロスは魔法を失敗するようになっている。
今までと同じ感覚で魔法を使おうとすれば絶対に成功しないから、偶に魔法が使える辺りダウロスは今まで強化魔法を受けていたと察していそうだ。
私が強化魔法を解除した影響は、徐々に出ている。
魔法が成功しなくなれば、ダウロスは理由を考えて私の発言を思い出すはず。
ダウロスの妹クラリィはまだ普通に生活できているようだけど、これから病で倒れるのは間違いなかった。
今日の学園での出来事を、居間でリオンが話してくれる。
別荘だけど毎日私のいる屋敷に来てくれるのは嬉しいけど、今日は気になることがあり私は尋ねた。
「あの……リオン様、疲れていますか?」
「見ただけでわかってしまうとは、そんなに疲れているように見えるのだろうか?」
「毎日リオン様を眺めているからこそ、気付けました」
「そうか……今日はかなり嫌なことがあってな。疲れてしまった」
相当嫌なことがあったはずと、リオンを眺める私にはわかってしまう。
何があったのか心配になったけど、理由を聞いていいのかわからない。
困惑が顔に出てしまったようで、リオンは微笑みを浮かべる。
「はははっ。俺もルカのことがわかる……今日、ミテラに言い寄られてしまった」
「……えっ?」
疲れている理由を話してくれたけど、私は驚くしかない。
ダウロスと婚約者になったばかりのミテラが、リオンに言い寄った?
理由がまったくわからず戸惑うと、話が続く。
「俺としてはすぐにミテラを追い払いたかったが、現状のダウロスを知るため話をしておきたくてな。苛立ちを堪えながら話を聞くことにした」
そう言って、リオンはミテラから聞いたことを話してくれる。
最近のダウロスは、不調の原因がルカを消したせいではないかと考え後悔しているようだ。
私が強化魔法でずっと強化していたことを、ダウロスはようやく信じたのかもしれない。
その可能性が高いとミテラも推測し、ダウロスを婚約者にしたことを後悔している。
婚約者を別の人にしたいと、ミテラはリオンに話したようだ。
リオンから魔法学園で何が起きているのかを私は聞いているけど、ダウロスは魔法を失敗するようになっている。
今までと同じ感覚で魔法を使おうとすれば絶対に成功しないから、偶に魔法が使える辺りダウロスは今まで強化魔法を受けていたと察していそうだ。
私が強化魔法を解除した影響は、徐々に出ている。
魔法が成功しなくなれば、ダウロスは理由を考えて私の発言を思い出すはず。
ダウロスの妹クラリィはまだ普通に生活できているようだけど、これから病で倒れるのは間違いなかった。
今日の学園での出来事を、居間でリオンが話してくれる。
別荘だけど毎日私のいる屋敷に来てくれるのは嬉しいけど、今日は気になることがあり私は尋ねた。
「あの……リオン様、疲れていますか?」
「見ただけでわかってしまうとは、そんなに疲れているように見えるのだろうか?」
「毎日リオン様を眺めているからこそ、気付けました」
「そうか……今日はかなり嫌なことがあってな。疲れてしまった」
相当嫌なことがあったはずと、リオンを眺める私にはわかってしまう。
何があったのか心配になったけど、理由を聞いていいのかわからない。
困惑が顔に出てしまったようで、リオンは微笑みを浮かべる。
「はははっ。俺もルカのことがわかる……今日、ミテラに言い寄られてしまった」
「……えっ?」
疲れている理由を話してくれたけど、私は驚くしかない。
ダウロスと婚約者になったばかりのミテラが、リオンに言い寄った?
理由がまったくわからず戸惑うと、話が続く。
「俺としてはすぐにミテラを追い払いたかったが、現状のダウロスを知るため話をしておきたくてな。苛立ちを堪えながら話を聞くことにした」
そう言って、リオンはミテラから聞いたことを話してくれる。
最近のダウロスは、不調の原因がルカを消したせいではないかと考え後悔しているようだ。
私が強化魔法でずっと強化していたことを、ダウロスはようやく信じたのかもしれない。
その可能性が高いとミテラも推測し、ダウロスを婚約者にしたことを後悔している。
婚約者を別の人にしたいと、ミテラはリオンに話したようだ。
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