妹に婚約者を奪われた私ですが、王子の婚約者になりました

第１１話

　私は噂を聞いた程度だったけど、ジトアはバハムスを調べていたようだ。

　バハムスは私を敵視していたから、ジトアは警戒していた。
　それが嬉しくて――ジトアが調べたことを、私に話してくれる。

「どうやらバハムス様は、取引で魔法薬を入手したようです」

「そうなんですか？」

「はい。私は詳しく調べて証拠を集めていきます……数日もすれば、バハムスを処罰することができそうです」

　今まで私に魔法薬を使っていたと疑ってきたバハムスが、魔法薬を入手した。
　私に持たせて罪を捏造する気なのではないかと、考えてしまう。
　ジトアも同じ気持ちのようで、これから動いてくれるようだ。

「ジトア殿下、ありがとうございます」

「婚約者として当然のことです。ルーミエ様に暴言を吐いたバハムス様を、私は許せません」

　私がお礼を伝えて、ジトアの発言を聞き嬉しくなっている。
　バハムスは魔法薬を入手して何かを目論み、処罰するまでに数日かかるらしい。
　それまでの間、私もバハムスを警戒することにしていた。