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第7話
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魔法学園で、私は問題なく魔法を扱うことができた。
先生より優れた魔法で目立ち、これでジトアに相応しい婚約者になれそうだ。
授業が終わって、屋敷に戻った私は廊下を歩きながら思案している。
婚約が公表される時を楽しみにしていると……廊下にいた妹メリタが、私を睨んで叫ぶ。
「ルーミエ! 今日の授業で先生を上回る魔法を使ったと聞きましたけど、本当のことですか!」
「はい。先生が仰っていました」
「嘘よ! ルーミエがそんなことできるわけないわ!!」
実際に私の魔法を目撃した人は多いから、嘘なわけがない。
それでもメリタは信じようとせず、私に対して叫ぶ。
「一昨日と昨日は、ジトア殿下から城に招待されたり――どうして私より劣っているルーミエが! 私よりいい目に合うのよ!!」
どうやらメリタは、婚約者を奪っておいてジトアと仲がいい私を妬んでいるようだ。
そして私に向かってメリタは手を伸ばし、魔法による光の弾を繰り出してきた。
今までの私なら、対処できず重傷になってもおかしくはない。
私は反射的に魔力の光を発生させて、メリタの魔力の弾を掻き消す。
その衝撃を受けてメリタは吹き飛び、床に全身を打ちつけて痛そうにしていた。
「うぅっっ……ルーミエが急に強くなるわけがない、ジトア殿下が何かしたに決まっています!」
魔法で攻撃したわけではないから、メリタはすぐに起き上がって逃げ去っていく。
私はいきなり魔法で攻撃してきたことに驚いて、メリタの発言が気になってしまう。
「ジトア殿下が何かした……ですか」
呪いのことを知らなければ、そう考えてもおかしくはない。
メリタは私を強く憎んでいるようで、何か行動を起こしそうだ。
先生より優れた魔法で目立ち、これでジトアに相応しい婚約者になれそうだ。
授業が終わって、屋敷に戻った私は廊下を歩きながら思案している。
婚約が公表される時を楽しみにしていると……廊下にいた妹メリタが、私を睨んで叫ぶ。
「ルーミエ! 今日の授業で先生を上回る魔法を使ったと聞きましたけど、本当のことですか!」
「はい。先生が仰っていました」
「嘘よ! ルーミエがそんなことできるわけないわ!!」
実際に私の魔法を目撃した人は多いから、嘘なわけがない。
それでもメリタは信じようとせず、私に対して叫ぶ。
「一昨日と昨日は、ジトア殿下から城に招待されたり――どうして私より劣っているルーミエが! 私よりいい目に合うのよ!!」
どうやらメリタは、婚約者を奪っておいてジトアと仲がいい私を妬んでいるようだ。
そして私に向かってメリタは手を伸ばし、魔法による光の弾を繰り出してきた。
今までの私なら、対処できず重傷になってもおかしくはない。
私は反射的に魔力の光を発生させて、メリタの魔力の弾を掻き消す。
その衝撃を受けてメリタは吹き飛び、床に全身を打ちつけて痛そうにしていた。
「うぅっっ……ルーミエが急に強くなるわけがない、ジトア殿下が何かしたに決まっています!」
魔法で攻撃したわけではないから、メリタはすぐに起き上がって逃げ去っていく。
私はいきなり魔法で攻撃してきたことに驚いて、メリタの発言が気になってしまう。
「ジトア殿下が何かした……ですか」
呪いのことを知らなければ、そう考えてもおかしくはない。
メリタは私を強く憎んでいるようで、何か行動を起こしそうだ。
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