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第19話
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ゼノラス視点
ルリサは、自分の意思で動こうとしなかった。
とにかく行動させようと考えた俺は、父の国王がいる部屋に向かう。
玉座に座る国王に対して、俺は提案する。
「魔法使いとして優秀と有名な俺の婚約者ルリサが、異変を対処するために行動しないのはおかしいと噂になっています」
実際は貴族達に頼み込み、噂を流しているだけだ。
その噂を理由に、俺は国王が納得する範囲の提案をする。
後方の安全な場所で魔法を使うぐらいなら、ルリサが行動しても問題ないはずだ。
俺の提案を聞いて、国王が尋ねる。
「どうしてゼノラスは、そこまでルリサに魔法を使わせようとする?」
「先ほども言いましたが、ルリサの魔法の実力は有名だからです。王子の婚約者としての評判を上げるいい機会でしょう」
「……わかった。だが、後方の安全な場所で軽く魔法を使わせるだけだ」
危険なモンスターと戦わせることは、最悪の事態を想像して避けたいらしい。
異変の規模はサレアの魔法道具で調整できるから、ルリサを戦場に出せればそれでいい。
「はい。それで構いません」
国王が納得したから、ルリサに魔法を使わせて異変を対処させることができそうだ。
この時の俺は、全て上手くいくと想定してしまう。
未来を知ったレオンが対処することなど、まったく考えていなかった。
ルリサは、自分の意思で動こうとしなかった。
とにかく行動させようと考えた俺は、父の国王がいる部屋に向かう。
玉座に座る国王に対して、俺は提案する。
「魔法使いとして優秀と有名な俺の婚約者ルリサが、異変を対処するために行動しないのはおかしいと噂になっています」
実際は貴族達に頼み込み、噂を流しているだけだ。
その噂を理由に、俺は国王が納得する範囲の提案をする。
後方の安全な場所で魔法を使うぐらいなら、ルリサが行動しても問題ないはずだ。
俺の提案を聞いて、国王が尋ねる。
「どうしてゼノラスは、そこまでルリサに魔法を使わせようとする?」
「先ほども言いましたが、ルリサの魔法の実力は有名だからです。王子の婚約者としての評判を上げるいい機会でしょう」
「……わかった。だが、後方の安全な場所で軽く魔法を使わせるだけだ」
危険なモンスターと戦わせることは、最悪の事態を想像して避けたいらしい。
異変の規模はサレアの魔法道具で調整できるから、ルリサを戦場に出せればそれでいい。
「はい。それで構いません」
国王が納得したから、ルリサに魔法を使わせて異変を対処させることができそうだ。
この時の俺は、全て上手くいくと想定してしまう。
未来を知ったレオンが対処することなど、まったく考えていなかった。
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