断罪される一年前に時間を戻せたので、もう愛しません

天宮有

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第30話

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 ロアルズ国で異変が起きてから、5ヶ月が経っていた。

 未だにロアルズ国では、サレアの魔法道具による異変で被害が出ている。
 私は自室で、今までの出来事を思案して呟く。

「私の魔法なら問題なく対処できそうですが、ゼノラス殿下とサレア様の目論み通りに動くわけにはいきません」

 もう私の知っている未来とは、かなり変わっている。
 それでもゼノラスは諦めていなさそうだから、レオンの言った通りに行動しよう。

 私はレオンから話を聞いて、これから起こる出来事を思い返して呟く。

「明日のパーティで、レオン様は全てが終わると言っていました」

 ゼノラスとサレアが予測した通りに動くかだけど、今までレオンは2人の行動を予測できていた。
 未来での行動を知っているから、レオンなら動きが把握できるようだ。

「明日ゼノラス殿下は後悔して……私に許して欲しいと言ったとしても、許す気はありません」

 時間を戻す前の発言を、私は思い出す。
 未来のゼノラスは私を処刑する気だったから、何を言われても助けようとは思わない。

 そして――翌日になって、全てが終わろうとしていた。
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