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第18話

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ゼノラス視点

 異変が起きて3ヶ月が経っても、ルリサは動こうとしなかった。
 俺は焦るしかなくて、今日は城にサレアが来る日だ。

 部屋で1人になって、俺はサレアの提案を聞いたことを後悔しつつある。
 それでも俺には、サレアが持つ魔法道具が必要だった。
 ルリサを動かすためにどうすればいいか、俺は思案しながら呟く。

「ルリサの変化が理解できない……異変が起きる前までは俺の命令に従っていたのに、何が起きている?」

 異変を対処するよう命じれば、間違いなく従うと考えていた。
 それなのに実際のルリサは家族に相談すると言い出して、今までとは全然違う行動をとっている。

 俺達のいるロアルズ国の危機で、今のルリサは王子である俺の婚約者。
 立場から自分の魔法で全て解決すると決意し、家族が止めても動いていたはずだ。

「人が急に変われるとは思えない……行動させれば、ルリサは元に戻るはずだ!」

 俺はこの3カ月の間に、ルリサを動かすための準備をしていた。
 とにかく魔法を使い問題を解決させて、自分の力がロアルズ国に必要だとルリサに思わせる。

 何も問題ないと考えて、俺は父の国王を説得する。
 そんなことをしても、ルリサが元に戻ることはなかった。
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