断罪される一年前に時間を戻せたので、もう愛しません

第９話

　ロアルズ国に異変が発生して、１ヶ月が経とうとしていた。

　現時点では国に被害を出しそうだった異変は、私がいなくても問題なく解決しているようだ。
　今日はレオンの屋敷に向かい、私はこれからのことを話しておきたかった。

　レオンの屋敷に到着して、応接室で私は尋ねる。

「私がいなくても、ロアルズ国は異変を対処できているようですね」

「異変を起こしているのは恐らくサレア様なので、調整することができているのでしょう」

　レオンは調べてくれたようで、時間が戻る前よりも危険ではないと考えている。
　サレアの魔法道具によるものと推測して、私も納得していた。

「そうですね……これからの出来事は、何が起こるかわかりません」

　未来が変わったからこそ、私は不安になってしまう。
　表情に出ていたけど、レオンが冷静に話す。

「ゼノラス殿下はルリサ様が動くと考えているから、未だに異変を起こしているのでしょう……ルリサ様が積極的に動かない限り、大丈夫です」

「そうですね……これからもしロアルズ国が滅んだとしても、それはゼノラス殿下のせいです」

「はい。ルリサ様を利用しようと目論んだ行動の結果なので、自業自得です」

　レオンの発言を聞いて、私は頷く。
　ゼノラスとサレアの目論見を、私達は把握することができていた。