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第152話

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ラドン視点

 ルーナの屋敷に到着して、俺はミレサを抱えながら魔法を繰り出す。
 冒険者の精鋭達を雇っていたようだが、寿命を削り力を得た俺には敵わない。

 力の差で圧倒して、ルーナとニコラスを守っていた冒険者が全員倒れている。
 これで全てが終わると、勝ちを確信していた。

「この程度なら、俺は寿命をここまで削る必要はなかったな」

「そうですね……警戒すべきはミレサだけで、ニコラスは勝手に最期を迎えるでしょう」

「俺と違い、ニコラスは何の役にも立たん。守られるだけの役立たずだ!」

 ニコラスを見下し、俺とミレサは笑い合う。
 脅威だと考えていたルーナは問題なく、ニコラスはどうでもいい存在だ。

 仕留めようと魔法を繰り出そうとした時――俺とミレサは、驚愕する。
 ルーナとニコラスの傍にいた謎の小犬が、魔法陣を発生させる。
 どうやらルーナ達が魔力を籠めたようだが、その力に驚いていた。

「この聖獣は魔力を籠めて作られた聖獣で……作られた目的は、ラドンの無力化です」

 どうやら小犬は魔法道具で作られた物で、魔剣と似た力があるらしい。
 2人で使うから償は寿命ではなく、作った時から常に魔力を与えることで力を蓄えていた。
 そして意志の強さによって――聖獣が魔法で繰り出した鎖により、俺とミレサが縛られる。

「なっ――っ!? なんだと!?」

「落ち着いてください! ラドン様の力なら問題ありません! 着地しましょう!」

 俺はミレサの提案を聞き、着地することにした。
 魔力を与えている日時が少ないから、着地して全ての魔力を籠めれば問題なく破壊できる。
 
 この時の俺は、ルーナとニコラスの対策がこれだけだと考えてしまう。
 冒険者との戦闘で誘導されていたようで――俺とミレサの着地した場所には、魔法道具の魔法陣があった。
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