平民の方が好きと言われた私は、あなたを愛することをやめました

第１３６話

ラドン視点

　俺は万全の状態になることができて、ミレサが行動する。
　
　転移の魔法道具を使い、以前ミレサの手下だった令嬢の屋敷に到着する。
　どうやらミレサは、今まで手下だった者の屋敷に転移に使う魔石を仕込んでいたようだ。
　最悪の事態に備えていたようで、俺達は盗賊の拠点から離れていた。

　屋敷にいた者は全て、俺の力で昏睡させている。
　とてつもない力を得たことが嬉しくて、俺はミレサに話す。

「これから俺は魔物と化して、真っ先にルーナを消すとしよう」

「はい。今のラドン様なら、ルーナが相手でも消すことができます！」

　冒険者達が報告する前に、俺は行動しておきたい。
　魔剣に寿命を差し出した契約の力によって、俺は魔物と化した時にルーナとニコラスの位置がわかるようだ。

　ルーナさえ消してしまえば、ニコラスは大したことがない。
　そう考えていて、俺は人間から魔物に変化することを決意していた。