平民の方が好きと言われた私は、あなたを愛することをやめました

天宮有

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第122話

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ラドン視点

 俺は協力することにしたが、ミレサの説得を諦めてはいない。
 魔法道具の力で明るい洞窟の中で、俺はこれからのことを尋ねる。

「俺の協力で、ルーナを消すことができるとは思えない……どうするつもりだ?」

 ミレサには協力するが、話を聞いて俺が無理そうなら諦めるかもしれない。
 今後の行動について尋ねると、俺はミレサの発言に驚くこととなる。

「ここには結界が張られていて、間近に来るまで視認することができません」

「捕らえた盗賊が話していたら、ここに冒険者達が来るのだろう」

 長居はできないと考えていたが、ミレサの考えは違った。

「結界は、私の魔力で強化しました……恐らく数週間の間、結界を破壊することはできません」

「俺達がここから出る時は、転移の魔法道具を使うのか」

「その通りです。私の手下だった人の屋敷に、転移の魔法道具を取りつけています」

 ミレサが俺に触れていれば、一緒にその場所へ転移することができる。
 使う必要がある時まで備えていたかったから、今まで使うことがなかったようだ。 

 結界で守られている間に、ミレサはある魔法道具を使おうとしている。
 その魔法道具の力は膨大で――俺は代償を支払い、とてつもない力を得ようとしていた。
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