平民の方が好きと言われた私は、あなたを愛することをやめました

第１０８話

　私は屋敷で、ニコラスの魔法道具による力の発動を待っていた。
　そして――魔法道具の力によって、ニコラスの魔力が私の体内に流れてくる。

　魔法道具の力を使い、私はニコラスの元に転移する。
　強くニコラスのことを意識すると――屋敷にいた私は、ベラの屋敷の廊下に立っていた。

　すぐにミレサの魔法が迫っていたけど、私は魔法で掻き消す。
　正面にいたラドンが驚き、私に向かって叫ぶ。

「なぁっっ――っ！？　ルーナがなぜ、ここにいる！？」

　問題なのは、ラドンの隣にいるミレサだ。
　ミレサは魔法を使いニコラスを捕らえようとしたけど、全て防がれている。
　困惑している様子のミレサは、私を眺めて叫んだ。

「もうこの機会しかルーナを消せないなら、全力で消すだけよ！！」

　驚愕しながらもミレサは魔法で攻撃するけど、私は全て魔法で反撃した。

　ミレサは心が乱れているから、全力と叫んでも魔法の性能が弱くなっている。
　私の魔法を完全に掻き消すことができず、ミレサは衝撃を受けて床に倒れていた。