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第99話

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ラドン視点

 ベラの屋敷に来たのは、俺達がいる場所から一番近かったからだ。
 隠れ家は必要になるし、ベラなら従えることは容易いとミレサは考えている。

 屋敷の外で、俺はミレサとこれからのことを話す。

「今から私の魔法で、屋敷に住む全ての者を従えます」

「わかった。そしてベラを利用し、ニコラスをここに呼んで捕獲するのだな」

「はい。ニコラスを人質にすれば、ルーナは終わりです」

 今のミレサは、ルーナを消すためならどんな手段でもとるつもりのようだ。
 ニコラスの魔法の実力は大したことがなくて、人質にすることは容易いだろう。
 そしてミレサが屋敷に侵入して――ベラの屋敷を占領することができていた。

■◇■◇■◇■◇■

 俺達の目の前には、恐怖しているベラとベラの家族の姿があった。
 ミレサの魔法の実力を知っているから、ベラはどんな命令でも聞くようだ。
 そんなベラを眺めて、俺はミレサに話す。

「これで後は、ニコラスをここに呼ぶだけか」

「はい。ニコラスでは私には敵いません」

 ミレサが断言して、俺は安堵する。
 ベラが前に裏切っていることを、俺達は知らなかった。
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