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第98話

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ラドン視点

 ミレサを説得するのは無理だと考えた俺は、これからの行動を聞く。

「俺達は警戒されている。目立つことはできないだろう」

「はい。できることは限られていますけど……私が学園にいた時の部下を使います」

 ミレサは魔法学園の生徒を従えていたが、誰も信じることができなくなっていた。
 俺は不安になって、ミレサに尋ねる。

「ミレサはもう、部下を信じることができなかったのではなかったのか?」

「はい。ルーナの味方をした人がいるのは間違いありませんけど、今回は脅して従わせます」

 ミレサの魔法が強力なのは、部下なら誰でも知っている。
 屋敷や家族を魔法で攻撃すると言えば、恐怖するのは間違いない。

 どうやらミレサは今から部下だった生徒の屋敷に乗り込み、隠れ家にするようだ。
 その方が安全だと考えた俺は、ミレサの提案に頷く。

「そうだな。そうしよう」

「ここから一番近いのは、ベラの屋敷ですね。彼女なら間違いなく従うでしょう」

 話し合って、俺達は子爵令嬢ベラの屋敷に向かおうとしていた。
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