平民の方が好きと言われた私は、あなたを愛することをやめました

天宮有

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第75話

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 私が停学期間を終えて学園に戻ったミレサを倒して、数週間が経っている。

 ラドンとミレサは、どこか変だった。
 今も落ち込んでいるミレサだけど、最近の姿は演技のような気がしてしまう。
 ラドンもそんなミレサを励まそうとせず、暗そうな表情で思案してばかりだった。

「なにか……あったのでしょうか?」

 ミレサとラドンの様子が変で、警戒するしかない。
 廊下を歩いて1人になると、思わず呟いてしまう。

「……ミレサの手下も裏切りを警戒して利用できないし、実力でも差を見せつけました」

 ラドンとミレサが何か企んでいたとしても、準備のために人の手は必要のはず。
 それならニコラスが知っていそうだから、今まで通り事前に対処することができそうだ。

「明日から休日で、ニコラスが来てくれます」

 2人の様子が変だけど、それはニコラスに聞けばいい。
 もしミレサがまた何か企んでいたのなら、対処すれば退学処分となる。
 そうなればラドンの評判も更に下がって、復讐することができそうだ。

 そう考えて――私は、明日の休日が待ち遠しくなっていた。
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