平民の方が好きと言われた私は、あなたを愛することをやめました

天宮有

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第74話

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ラドン視点

 ミレサの元仲間を雇うことを約束して、俺は城に戻る。
 部屋で1人になって、困惑して呟く。

「俺はミレサの提案に賛同して、本当によかったのか……」

 ルーナは憎んでいるが、消すほどではないと考えていた。
 いや――ミレサのためなら、ルーナは消えるべきなのかもしれない。

 ミレサの頼みを聞いて、今までのルーナの行動を思い出す。
 俺に対する復讐を目論んでいるのなら、これからも復讐してくるかもしれない。

「いや――今までミレサを困らせていたルーナなど、もやは生きなくてもいいだろう!」

 俺の精神がここまで不安定なのは、全てルーナが悪い。
 そう考えるようになると、ミレサに賛同して正解だと思うようになってしまう。 

「俺のために、ミレサは動いてくれる――それなら、俺もミレサを信じよう!」

 ミレサの発言を、俺は未だに信じている。
 その結果――ミレサの行動によって、最悪の事態になろうとしていた。
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