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第71話

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ラドン視点

 俺はミレサの発言に驚くしかない。
 王都から近い街に住む平民だと考えていたのに、実際は他国の犯罪者だった。

 困惑している俺に対して、ミレサは話を続ける。

「家族は冒険者に捕まり処刑されましたけど、私は生き延びた。魔法の実力が、家族より遙かにあったからです」

「この国の魔法学園は、平民なら誰でも入学できる……貴族と違い、平民は調査もされず必要なのは実力だけだ」

 ミレサは盗賊の時とは違う見た目になることで、平民として新たな人生を送ろうとした。
 それがミレサの真相で――俺は動揺するしかない。

「……ミレサは今まで、俺を騙していたということか?」

「いいえ、ラドン殿下を愛しています。愛しているからこそ、全てを話したのです」

 ミレサが元盗賊と知っても、俺は傍にいて欲しいと想ってしまう。
 それは今までミレサの言動に、俺が好意を持っていたからだ。
 
 そして――ルーナとの婚約を破棄した以上、もう俺にはミレサしか残っていない。
 ルーナとミレサは魔法学園でも最上位の実力で、他の生徒とは差がありすぎる。
 
 もうルーナを婚約者に戻すことができない以上――俺はミレサを、新たな婚約者にしなければならなかった。
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