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第62話

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 ニコラスが屋敷から去って、私は今日の話と1ヶ月間のことを思い返す。

 停学を終えたミレサに魔法の試合で負けたくないから、今まで魔法を鍛えている。
 ニコラスが情報収集してくれるから、不安がなく魔法に集中することができた。

「不正をせず、実力で私が負けることがあればラドン殿下が喜ぶ……それだけは、絶対に阻止します」

 精神が乱れると、魔法は性能が落ちてしまう。
 それは今までのことで理解できているから、私の心が揺らがない。

「私がミレサに勝つとして……それによって、ミレサが諦めるのかが重要ですね」

 もう諦めない場合は、また私を貶めようと行動するかもしれない。
 手下は信じられず、更に次の処罰で退学になるけれど……ミレサなら、行動する可能性はあった。

「その場合は最後の手段なので、どんな手を使ってきてもおかしくはありません。ニコラス様がいてくれてよかった」

 私を貶めようとするのなら、準備が必要になる。
 その準備をニコラスは今まで先に教えてくれたから、私はミレサを追い詰めることができていた。

 ニコラスに感謝して――翌日、ミレサが魔法学園に戻ってきた。
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