平民の方が好きと言われた私は、あなたを愛することをやめました

第１８話

　私はラドン王子の呼び出しを受けて、広場に到着した。
　呼び出された場所は人気がなく、ラドンの姿も見当たらない。

　そして――私の背後から、炎の魔法が迫る。
　許可のない魔法の使用は、余程の理由がない限り使えない。
　それはつまり、攻撃を魔法で対処して反撃するのは問題なかった。

　警戒していた私は炎の魔法を打ち消すため、即座に振り返り水の魔法を放つ。
　炎が飛んできた方向に向けて飛ばした大量の水が、炎を掻き消して魔法を使った人に直撃した。

「――うぅっっ！？」

　悲鳴からミレサだとわかり、水流が直撃したことで気を失い倒れている。
　それを別の生徒が担いで去って行くけど……魔法を対処した私は呟く。

「ミレサの奇襲ですか。ニコラス様から話を聞いていなければ危なかったかもしれません」

　行動すると警戒していたけど、ラドンが呼び出してからミレサが私の背後を魔法で攻撃した。
　私の魔法の実力が高いから、手下を使って数で攻めても倒せないと考えていそう。

「……まだミレサは、私より魔法の実力が勝っていると証明したかったのかもしれません」

　もし魔法による攻撃を受けていたら、私は重傷を追っていたかもしれない。
　ミレサの行動は許せなくて――今日の出来事から、私はミレサに対して更に反撃することを決意していた。