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第44話
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モグルド視点
数日後――俺とヒリスは、ルナのいるリノ―マ伯爵家の屋敷に侵入していた。
ヒリスが魔法で音を消しつつ窓を破壊して、俺達は中に乗り込む。
すぐに部屋へ向かい、眠っているルナを連れ去るつもりだ。
リノーマ伯爵家の屋敷には何度か来たことがあるから、ルナの部屋がどこにあるのかは把握している。
数分で連れ去れば、何も問題は起きないと俺達は考えていた。
何か異常があっても、ヒリスの魔法で対処できる。
そんなことを考えながら俺達が廊下を走っていた時、屋敷に警報が鳴り響く。
「なっっ!? 魔法道具か!?」
「ただの警報です。ルナを連れ去れば問題ありません」
俺は思わず叫んでしまうが、ヒリスは冷静に小声で話す。
そんな時――俺とヒリスの体に、どこからか飛んできた矢が刺さった。
「体に突き刺さっていないが……なんだこの矢は!?」
刺さらず当たっただけなのに、体に当たった矢はひっついて離れない。
取ることができず困惑していると――俺とヒリスは、動けなくなっていた。
数日後――俺とヒリスは、ルナのいるリノ―マ伯爵家の屋敷に侵入していた。
ヒリスが魔法で音を消しつつ窓を破壊して、俺達は中に乗り込む。
すぐに部屋へ向かい、眠っているルナを連れ去るつもりだ。
リノーマ伯爵家の屋敷には何度か来たことがあるから、ルナの部屋がどこにあるのかは把握している。
数分で連れ去れば、何も問題は起きないと俺達は考えていた。
何か異常があっても、ヒリスの魔法で対処できる。
そんなことを考えながら俺達が廊下を走っていた時、屋敷に警報が鳴り響く。
「なっっ!? 魔法道具か!?」
「ただの警報です。ルナを連れ去れば問題ありません」
俺は思わず叫んでしまうが、ヒリスは冷静に小声で話す。
そんな時――俺とヒリスの体に、どこからか飛んできた矢が刺さった。
「体に突き刺さっていないが……なんだこの矢は!?」
刺さらず当たっただけなのに、体に当たった矢はひっついて離れない。
取ることができず困惑していると――俺とヒリスは、動けなくなっていた。
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