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第36話
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モグルド視点
時間は遡り、俺はパーティ会場でルナに謝罪する。
1度頭を下げてしまえば、全て解決すると考えていた。
「今まですまなかった! ルナよ、俺の婚約者に戻ってくれぇぇっ!!」
「……モグルド殿下は、何を仰っているのですか?」
「今までのことを全て謝罪するから、俺の婚約者に戻れと言っている!!」
これでルナは、俺の婚約者に戻るだろう。
全て解決したと思った時、ルナの前に立ってヒュームが話す。
「モグルド、ルナはもう俺と婚約している。何を言っても無意味だ」
「婚約者を決めるのはルナだ! お前より王子の俺を選ぶに決まっている!」
「モグルド殿下が何を言っても、私はヒューム様の婚約者です」
「それはヒュームに言わされているんだ! ルナよ目を覚ませ!!」
立場が上だから、強引に説得できるはず。
そう確信していたのに――ヒュームが、小箱の魔法道具を俺に見せる。
その小箱は、俺の発言が記録されている魔法道具だった。
「なっっ!? それは――」
「――俺がルナに何か言わせていると証明することはできないが、ルナがお前と婚約者に戻りたくないことは証明できる」
ヒュームの発言を聞き、俺は焦る。
そして――パーティ会場に、俺の暴言が響き渡ることとなっていた。
時間は遡り、俺はパーティ会場でルナに謝罪する。
1度頭を下げてしまえば、全て解決すると考えていた。
「今まですまなかった! ルナよ、俺の婚約者に戻ってくれぇぇっ!!」
「……モグルド殿下は、何を仰っているのですか?」
「今までのことを全て謝罪するから、俺の婚約者に戻れと言っている!!」
これでルナは、俺の婚約者に戻るだろう。
全て解決したと思った時、ルナの前に立ってヒュームが話す。
「モグルド、ルナはもう俺と婚約している。何を言っても無意味だ」
「婚約者を決めるのはルナだ! お前より王子の俺を選ぶに決まっている!」
「モグルド殿下が何を言っても、私はヒューム様の婚約者です」
「それはヒュームに言わされているんだ! ルナよ目を覚ませ!!」
立場が上だから、強引に説得できるはず。
そう確信していたのに――ヒュームが、小箱の魔法道具を俺に見せる。
その小箱は、俺の発言が記録されている魔法道具だった。
「なっっ!? それは――」
「――俺がルナに何か言わせていると証明することはできないが、ルナがお前と婚約者に戻りたくないことは証明できる」
ヒュームの発言を聞き、俺は焦る。
そして――パーティ会場に、俺の暴言が響き渡ることとなっていた。
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