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第19話

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 モグルドが私の屋敷に来て、ヒリスの杖を直せと言い出した。

 直す気はなくて、陛下に報告すれば全て解決する。
 応接室でヒュームは、これから起こる出来事について私に話す。

「ここ最近、国を守る魔法道具に異常が発生しているようだ」

「今までは私が確認して問題がないよう調整していましたけど、他の人にはできないようです」

 これは他国でも同じのようで、私のいる国がおかしかっただけだ。

 国王は協力を求めていたけど、今日の出来事を理由に拒んでも構わない。
 今まで私は働き過ぎで、王子の婚約者でなくなったのだから王家に協力したくなかった。

 今は城にいる魔法道具の職人達が直そうとしているけど、完璧ではないらしい。
 この状況で今日の出来事を報告すれば、国王はモグルドを処罰しそうだ。 

「ルナがいないせいだと知られれば、原因のモグルドは更に非難されるだろう」

「はい。全てモグルドの自業自得です」

 これから様々な問題が発生しそうだけど、私の家やヒュームの家は問題ない。。
 私がいないことを後悔したとしても、悪いのは全てモグルドだ。

 今まで私がいたから平和だったのに、これからルドスラ国に危機が迫ることとなる。
 私との婚約を破棄したモグルド王子のせいだと、貴族の人達は噂から知っているはずだ。

 王家がどうなっても構わないし、私は関わる気がない。
 そして――ヒュームの推測通り、ルドスラ国で問題が発生していた。
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