「婚約を破棄したい」と私に何度も言うのなら、皆にも知ってもらいましょう

天宮有

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第15話

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モグルド視点

 ヒリスの杖が直ってから、1週間経っている。
 俺は魔法道具のある部屋に行き、職人に言わなければならないことがあった。

 父から関わるなと言われているが、どうしても聞かなければならないことがある。
 俺は怒り職人に叫びたくなったが、この部屋にいる連中は父の国王に報告するだろう。
 怒りを堪えて、俺はヒリスの身に起きた出来事を職人達に伝える。

「お前達が直した杖では、ヒリスはいつもの調子が出ないと言っていた……完璧に直したのではないのか?」

「モグルド殿下、それはルナ様がいないからです」

「ぐっっ! この場にいない者を言い訳に使うというのか!」

「それなら私達ではなく、陛下に聞いてみてください。モグルド殿下がここに来たら、陛下に報告するよう言われています」

「なっっ!? もうよい!!」

 今日の出来事はまた報告されて、俺は再び父に怒られることとなる。
 その後、ヒリスの杖が再び壊れて――俺は、ルナの屋敷に向かおうとしていた。
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