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第10話

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 私はヒュームから、城で起きている出来事について聞いている。
 モグルドは国王から糾弾されているようで、後悔しているのは間違いなさそうだ。

「モグルドはヒリスと婚約しているから、ルナの元には来ない。というより、俺が来られないようにした」

「……えっ?」

 ヒュームの発言を聞いて、私は首を傾げてしまう。
 モグルドに何かしたのだろうかと考えていると、ヒュームが詳しく話してくれた。

「モグルドの暴言を皆に知ってもらうことで評判を落とし、俺は国王と約束した……もしヒュームがルナの元へ来たら、慰謝料を支払ってもらうこととなっている」

「それなら、モグルド殿下がここに来ることもありませんね」

 国王は私に依頼したいから、ヒュームの出した約束を受け入れたようだ。

 絶対にモグルドは私と関わらせないと言い放ったのは、国王と取り決めていたから。
 その行動が嬉しくなっていると、ヒュームが話を続ける。

「それでも、冷静でなくなったモグルドはここに来るかもしれない。そうなればモグルドは終わりだ」

 そこまで愚かな行動をするのかわからないけど、モグルドなら何をしてもおかしくなかった。

 私はモグルドと会いたくなかったから、ヒュームの気遣いが嬉しい。
 ヒュームがいてくれてよかったと、私は強く想っていた。
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