婚約破棄ですか? どうなっても知りませんよ

天宮有

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第32話

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 私の推測通り――魔法学園の全生徒が集まる集会で、ドリアス殿下は行動に出ていた。
 隣の先生が呆れながら、拡声器の魔法道具で全生徒に伝わるよう尋ねる。

「それが、ドリアス殿下がこの場で言いたかったことですか?」

「そうだ! キャシーが以前のように自らが悪いと認め、俺の命令を聞く! この場の皆が証人だ!」

 話を勝手に進めようとするドリアス殿下だけど、誰も納得するわけがない。
 先生はドリアス殿下の一方的な発言に唖然としながら、それでも冷静を装い尋ねる。

「そうですか……キャシー様が、クノレラ様に嫌がらせをしていた証拠はありますか?」

 当然の疑問に対して、ドリアス殿下は断言した。

「キャシーは心に深い傷を負い、証拠を用意するどころではない! そんなこともわからないのか!!」

 そう言って――ドリアス殿下の横に、以前パーティで見た顔ぶれが並ぶ。
 私を貶めていた4人組で、クノレラの友人達だ。

「わっ、私達はキャシー様がクノレラ様を貶めている場面を目にしました!」

「魔法による暴行が巧妙で……その、証拠を残すことができませんでしたわ!」

「「…………」」

 4人とも様子がおかしくて、以前のパーティ会場に比べると明らかに元気がない。
 全身を震わせて怯えながらも話しているけど――ドリアス殿下、あの子達を脅したようね。

 2人が嘘をつき、もう2人は怯えながら何も言うことができていない。
 これだけで集会の生徒達は察することができているけど、ドリアス殿下は自信満々に叫ぶ。

「どうだ! そこにいるキャシーは! クノレラの友人がここまで怯えるほど恐ろしい女。この女こそ奴隷の首輪をつけるべきなのだ!!」

 そして全て私のせいにしてまで、ドリアス殿下は命令したい様子だ。
 言いたいことは全て言っただろうから、私は反撃に出ることにしていた。
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