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第26話
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ドリアス視点
あれから数日が経ち、全生徒が集まる集会が来週に迫っている。
婚約者クノレラとしても魔方陣は使いたくないようで、俺に向かって呟く。
「もう時間がありません……なんとしてでも、キャシー様を魔方陣の生贄にしましょう!」
そう言っても何も案が思わず俺任せな辺り、無能な婚約者だと思うしかない。
キャシーとは大違いだと考えてしまうと、また婚約破棄したことを後悔してしまう。
「準備は着実に進めている……2週間後に行われる集会でキャシーを悪人にし、罰として魔方陣を稼働させればいい!」
俺は数日前に父上から魔方陣の稼働が迫っていると言われ、気が滅入っていた。
――魔方陣は、もう二度と起動させたくはない。
だからこそ俺は、必死に現状を打破する方法を考え行動に出ていた。
■◇■◇■◇■◇■
クノレラを城の外まで送り、俺は部屋に戻ろうとしていた。
廊下を一人歩いていると……目の前には、謎の青年がいた。
ローブを纏った細目の、見るからに怪しい青年だ。
会ったことがなく、間違いなく不審者で――警備は何をしていたのだと思うしかない。
「貴様、何者だ――」
俺は咄嗟に叫ぼうとして、声が止まった。
謎の青年の姿が一瞬で兵士に変わり……その光景に、声が出なくなったからだ。
こんな魔法道具を、俺は見たことがない。
得体の知れなさを感じていると、兵士が元の細目の青年に戻って話す。
「はじめまして……私はヤミー。魔法道具の商人です」
見るからに胡散臭そうな細目の青年が、柔らかな笑みを浮かべている。
「商人だと?」
「はい……ドリアス殿下は大変だと聞きました。私が力になりましょう」
いきなりそんなことを言い出して、警戒しながらも先ほどの出来事を思い返す。
今まで見たことのない、凄い力を持った魔法道具。
他にも何か凄い魔法道具があるのなら、この男は使えるかもしれない。
話を聞く気になった俺は――悪魔の言葉を聞くこととなっていた。
あれから数日が経ち、全生徒が集まる集会が来週に迫っている。
婚約者クノレラとしても魔方陣は使いたくないようで、俺に向かって呟く。
「もう時間がありません……なんとしてでも、キャシー様を魔方陣の生贄にしましょう!」
そう言っても何も案が思わず俺任せな辺り、無能な婚約者だと思うしかない。
キャシーとは大違いだと考えてしまうと、また婚約破棄したことを後悔してしまう。
「準備は着実に進めている……2週間後に行われる集会でキャシーを悪人にし、罰として魔方陣を稼働させればいい!」
俺は数日前に父上から魔方陣の稼働が迫っていると言われ、気が滅入っていた。
――魔方陣は、もう二度と起動させたくはない。
だからこそ俺は、必死に現状を打破する方法を考え行動に出ていた。
■◇■◇■◇■◇■
クノレラを城の外まで送り、俺は部屋に戻ろうとしていた。
廊下を一人歩いていると……目の前には、謎の青年がいた。
ローブを纏った細目の、見るからに怪しい青年だ。
会ったことがなく、間違いなく不審者で――警備は何をしていたのだと思うしかない。
「貴様、何者だ――」
俺は咄嗟に叫ぼうとして、声が止まった。
謎の青年の姿が一瞬で兵士に変わり……その光景に、声が出なくなったからだ。
こんな魔法道具を、俺は見たことがない。
得体の知れなさを感じていると、兵士が元の細目の青年に戻って話す。
「はじめまして……私はヤミー。魔法道具の商人です」
見るからに胡散臭そうな細目の青年が、柔らかな笑みを浮かべている。
「商人だと?」
「はい……ドリアス殿下は大変だと聞きました。私が力になりましょう」
いきなりそんなことを言い出して、警戒しながらも先ほどの出来事を思い返す。
今まで見たことのない、凄い力を持った魔法道具。
他にも何か凄い魔法道具があるのなら、この男は使えるかもしれない。
話を聞く気になった俺は――悪魔の言葉を聞くこととなっていた。
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