婚約破棄ですか？ どうなっても知りませんよ

第２４話

ドリアス視点

　初めて魔方陣を起動させてから２カ月が経ち、あれから俺は散々な目に合い続けていた。
　自室で苛立ちながら、ここ2カ月間の出来事を思い返す。

　――父上には再び怒られ、罰として奴隷の首輪をつけられてしまう。
　国外逃亡することができず、余計なことは一切口に出せなくなっていた。

　そして俺を縛るための魔力は俺の魔力を消費するから……毎日、俺は魔力消費による疲労感を受け続けている。

「キャシーめ……脅しに従い全て自分の責任だと言えば、俺はこんな目に合わなかった！」

　魔方陣の魔道具を話したのはドリアス殿下を追い詰めたからで、全て私キャシーの責任です。
　今まで通り魔方陣を稼働させ、機密を話した罪で奴隷の首輪もつけましょう。

　そう言えば全て解決していたというのに――現実は違う。
　キャシーはあろうことか父上に報告して、教室内で国の機密を漏らしたことは知られてしまった。

　信じられないほど怒られ、奴隷の首輪を無理矢理つけられてしまう。
　奴隷と同じ扱いになり、学園内で俺の不祥事は噂になっていたから……周囲の視線が辛すぎた。

「もうこれしか手はない……クノレラの友人達を使い、再びキャシーを貶める！」

　この前は婚約破棄を行わせることに成功したから、今度は魔方陣の起動をさせる。
　クノレラに命令して準備をしていた俺は、クノレラを呼ぶことにしていた。