婚約破棄ですか？ どうなっても知りませんよ

第２１話

　ドリアス殿下の思考を分析して話すとアルクは不満そうで、嫉妬していると話してくれた。

　そして私は――アルクが私を、異性として想ってくれていることを知る。
　私もアルクのことを異性として想っているけど……本心を伝えることができないのには、理由があった。

　婚約破棄を受けたショックは、思っていた以上に大きかったらしい。
　私もアルクに本心を伝えようとしたら言いよどんでしまい、何も言えなくなってしまう。

「キャシー様？」
　
　心配そうに見つめてくれるアルクに対して、私は咄嗟に話す。

「……全て終わったら、もうドリアス殿下のことは考えなくてよくなります」

　ついそんなことを言ってしまい、私は本心を伝えることができない。
　それでも……今の私は、アルクに聞いておきたいことがある。

「アルク様、これからも協力してもらえますか？」

　アルクの想いに応えるのは、この件を解決してからだ。

「はい……私はキャシー様のためなら、どんなことでもいたします」

　そう言ってくるアルクが、私は愛しくなっている。
　全てはドリアス殿下との問題を解決してからだと――私は決意していた。