婚約破棄ですか? どうなっても知りませんよ

天宮有

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第19話

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 私はドリアス殿下の今後の行動を推測して話すと、アルクは辛そうな表情を浮かべていた。
 心を今まで完全に読み切っている私に、気味の悪さを覚えているのかもしれない。

 そう考えていると、アルクが私に尋ねる。

「あの――やはりドリアス殿下に脅されたことが、気になっているのでしょうか?」

「それは、どういう意味ですか?」

 実際はドリアス殿下に何を言われてもどうでもいいけど、アルクは心配になったようだ。
 それよりも、どうしてそんなことを尋ねたのかが気になり、私も尋ねてしまう。

「いえ……先ほどから、不安そうな表情を浮かべていましたから」

「そうですか?」

 どうやらアルクの本心が気になって、私は表情に出ていたようだ。

「はい。私にできることがあれば、なんでも仰ってください」

 そう言ってくれたから……私は、本心をアルクに伝える。

「アルク様……ドリアス殿下の心を完全に読んでいる私が、怖くなっているのではありませんか?」

「えっ? それは――そう思い不安にさせてしまったのなら、私は本心を伝えます」

 アルクは少し驚きながらも、何かを決意している。
 そして私は、アルクの本心を知ることができていた。
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