婚約破棄ですか？ どうなっても知りませんよ

第１８話

　私はアルクと、これからの話をしていた。
　ドリアス殿下の行動は今まで予想通りで、次の行動を推測して話す。

「ドリアス殿下は必死でした……次の魔方陣を起動させるまでに、行動に出るでしょう」

　稼働のペースが同じなら次は約３ヶ月後だから、それまでに行動するのは間違いない。
　失敗できないと考えているだろうから、成功率が高そうな行動をとるだろうから予測できる。
　
「私を貶め、罰として魔方陣を起動させようと目論み……恐らくクノレラの友人を使ってくるはずです」

　クノレラの友人を証人にして、私が嫌がらせをしたことにしていた。
　私と婚約破棄してクノレラを新たな婚約者にするためで……私が望んだことだから、思惑通りになっている。

　一度成功したとドリアス殿下は思い込んでいるから、同じ手を使うに違いない。
　証拠や理由がなくても、ドリアス殿下の方が立場が上だから、どうでもなるとか思っていそう。

「流石に浅すぎると思うけど……今までの行動から、きっと同じ手を使ってきそうです」

　そして糾弾した後は、「謝罪などいらんから魔方陣を稼働させろ」と命じてくるに違いない。

　もうアルクに手を打ってもらっているから……推測通り動けば、その時点でドリアス殿下は終わる。
　クノレラが優秀で予想外の事態が起こる可能性は、今までのことからないはずだ。

　推測を話すと……アルクは、不安そうに呟く。

「魔方陣を使った後、教室に怒鳴り込んでくる……これも、キャシー様の予想通りでしたね」

 　今日の出来事に驚きながらも、アルクは不満げな様子で呟いた。
 　人の心を完全に読んでいる私に、気味の悪さを感じたのだろうか？

 　アルクに避けられるのは嫌だから……私は、アルクから本心を聞き出そうと考えていた。