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第13話
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ドリアス視点
――魔方陣を起動させて、数日が経っていた。
地獄の苦しみがようやく終わるが、未だに苦しさは残っている。
それでも辛うじて食事をとり、会話ができるようになって……俺は魔法学園に向かっていた。
とにかくキャシーを怒鳴り散らし、魔方陣を使わせる。
そうしなければ3カ月間嫌な気分になるしかなく、この苦しみを晴らす方法はそれしかなかった。
■◇■◇■◇■◇■
魔法学園に到着して――俺はキャシーに5日前の出来事を鮮明に伝えた。
長い昼休みの時間を使い、言いたいことを全て言い切った。
これでキャシーは魔方陣を自分が使うべきだったと後悔して、従うに決まっている。
そして――黙ったままの、何も言えないでいるキャシーに対して、俺は叫ぶ。
「ずっと黙ってばかりだが! 俺を酷い目に合わせたと反省したか!!」
俺はこの時、キャシーが賛同して謝罪し「私が魔方陣を使います」と言うものだとばかり考えていた。
これで一件落着、平和な日常が帰って来るに違いない。
そして――目の前のキャシーは、俺に対して呆れた様子で告げた。
「色々と言いたいことがありますけど……まず、そのことを話して大丈夫なのですか?」
「なぁっ!?」
――しまった。
国家の重要機密を、俺は怒りのまま教室内で叫んでしまった。
キャシーのせいにしてやろうと考えを巡らせるも、魔方陣とキャシーは一言も言っていない。
こうなると教室中の生徒が証人となり……俺は顔を青ざめるしかなかった。
――魔方陣を起動させて、数日が経っていた。
地獄の苦しみがようやく終わるが、未だに苦しさは残っている。
それでも辛うじて食事をとり、会話ができるようになって……俺は魔法学園に向かっていた。
とにかくキャシーを怒鳴り散らし、魔方陣を使わせる。
そうしなければ3カ月間嫌な気分になるしかなく、この苦しみを晴らす方法はそれしかなかった。
■◇■◇■◇■◇■
魔法学園に到着して――俺はキャシーに5日前の出来事を鮮明に伝えた。
長い昼休みの時間を使い、言いたいことを全て言い切った。
これでキャシーは魔方陣を自分が使うべきだったと後悔して、従うに決まっている。
そして――黙ったままの、何も言えないでいるキャシーに対して、俺は叫ぶ。
「ずっと黙ってばかりだが! 俺を酷い目に合わせたと反省したか!!」
俺はこの時、キャシーが賛同して謝罪し「私が魔方陣を使います」と言うものだとばかり考えていた。
これで一件落着、平和な日常が帰って来るに違いない。
そして――目の前のキャシーは、俺に対して呆れた様子で告げた。
「色々と言いたいことがありますけど……まず、そのことを話して大丈夫なのですか?」
「なぁっ!?」
――しまった。
国家の重要機密を、俺は怒りのまま教室内で叫んでしまった。
キャシーのせいにしてやろうと考えを巡らせるも、魔方陣とキャシーは一言も言っていない。
こうなると教室中の生徒が証人となり……俺は顔を青ざめるしかなかった。
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