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第8話
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ドリアス視点
国王の……父上の無茶苦茶な命令を、俺は聞くしかなかった。
「……クノレラも魔方陣の起動を手伝わせますが、構いませんね」
「婚約者も生贄にする気か……必死に魔道具を操作しようと考えない辺りが甘すぎる」
「ぐっっ……クノレラは俺の婚約者、運命を共にする女性です!」
呆れてくる陛下に対して、俺はそれでもクノレラを同行させる許可をもらおうとする。
寿命がどれ程減るのかわからないが、クノレラを犠牲にして軽減する必要があった。
必死に頼む俺に対して、父上が蔑んだ目で眺めながら頷く。
「いいだろう。教えておくが……操作ができなかった場合、1度で寿命は1年ほど失われるらしい」
「それほどなのですか!?」
数ヶ月魔方陣を稼働させるだけで、1年の寿命が失われる。
1人が犠牲になって国全体が繁栄するのなら安いのかもしれない……それでも、当事者が俺となれば別だ。
魔方陣を起動させたくないと考えている中、陛下が俺の思考を読んでいるように告げる。
「そして監視者もつける。完全に起動することができるまで地下からは出られんぞ」
「ぐっっ……わかりました……」
クノレラを同行させれば、失われる寿命は恐らく半年程度になるらしい。
それでもこれを数ヶ月に一度、死ぬまで続けなければならないことに恐怖するしかなかった。
■◇■◇■◇■◇■
陛下の部屋から出て――さっきまでの上機嫌が嘘のように、不安になっている俺は廊下を歩く。
魔方陣を稼働させるのは明日で、監視者から魔法道具の使い方を学んですぐ操作をするのが一番らしい。
キャシーとの婚約を破棄してから、俺は散々な目に合っている。
そして新たな婚約者クノレラは見た目だけは好みなのに、婚約してから何の役にも立っていない。
「俺はなぜ……キャシーとの婚約を、破棄してしまったんだ……」
俺は学園で本当の成績を知って恥をかき、危険な魔方陣の魔法道具を稼働させなければならない。
婚約破棄を少し後悔しながら……とにかくこれから婚約者クノレラを呼んで、共に魔方陣の生贄になってもらう。
もしかしたら操作が完璧にできて、寿命を失うことがないかもしれない。
その可能性に俺は期待していて……翌日、キャシーの凄さを思い知ることとなっていた。
国王の……父上の無茶苦茶な命令を、俺は聞くしかなかった。
「……クノレラも魔方陣の起動を手伝わせますが、構いませんね」
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「ぐっっ……クノレラは俺の婚約者、運命を共にする女性です!」
呆れてくる陛下に対して、俺はそれでもクノレラを同行させる許可をもらおうとする。
寿命がどれ程減るのかわからないが、クノレラを犠牲にして軽減する必要があった。
必死に頼む俺に対して、父上が蔑んだ目で眺めながら頷く。
「いいだろう。教えておくが……操作ができなかった場合、1度で寿命は1年ほど失われるらしい」
「それほどなのですか!?」
数ヶ月魔方陣を稼働させるだけで、1年の寿命が失われる。
1人が犠牲になって国全体が繁栄するのなら安いのかもしれない……それでも、当事者が俺となれば別だ。
魔方陣を起動させたくないと考えている中、陛下が俺の思考を読んでいるように告げる。
「そして監視者もつける。完全に起動することができるまで地下からは出られんぞ」
「ぐっっ……わかりました……」
クノレラを同行させれば、失われる寿命は恐らく半年程度になるらしい。
それでもこれを数ヶ月に一度、死ぬまで続けなければならないことに恐怖するしかなかった。
■◇■◇■◇■◇■
陛下の部屋から出て――さっきまでの上機嫌が嘘のように、不安になっている俺は廊下を歩く。
魔方陣を稼働させるのは明日で、監視者から魔法道具の使い方を学んですぐ操作をするのが一番らしい。
キャシーとの婚約を破棄してから、俺は散々な目に合っている。
そして新たな婚約者クノレラは見た目だけは好みなのに、婚約してから何の役にも立っていない。
「俺はなぜ……キャシーとの婚約を、破棄してしまったんだ……」
俺は学園で本当の成績を知って恥をかき、危険な魔方陣の魔法道具を稼働させなければならない。
婚約破棄を少し後悔しながら……とにかくこれから婚約者クノレラを呼んで、共に魔方陣の生贄になってもらう。
もしかしたら操作が完璧にできて、寿命を失うことがないかもしれない。
その可能性に俺は期待していて……翌日、キャシーの凄さを思い知ることとなっていた。
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