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第71話

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 冒険者ギルドで行われている会議で、私はこれから起こる話を聞いていた。

 魔物の群れが発生するのは、異界の門から魔物達が現れるせいだと知っている。

 異界の門について知っているのはそれだけで、それを作り出す魔物の存在は初耳だ。

 そして受付の人が、異界の門を発生させる魔物についての説明をする。

 数十年に一度この世界に現れて、大きな被害を出して去って行くことから、その魔物には「災獣」と名前がついているようだ。

「災獣の見た目は黒く大きな犬の姿をしていて……この世界と異界が干渉しやすくなる周期があるようで、その周期に人々を苦しめようとしています」

 魔物は人が出す負の感情を糧にしているようで、災獣と呼ばれた存在の行動理由も同じようだ。

「現れる度に知識がついて狡猾になっているので、今の内に撃退する必要があります。今は災獣が異界に逃げないよう、この場所を中心に結界を張っています」

「そうなのですか?」

 思わず隣にいるアインに小声で尋ねると、アインも小声で教えてくれる。

「はい。俺や他の優秀な冒険者達がいますし、これ以上強くなられる前に倒したいようです」

 大襲撃で災獣はかなりの力を使ったようで、結界を使い異界に行く門を作らせないようにしたらしい。

 私には詳しいことはわからないけど……この大陸に異界に帰れない災獣がいて、冒険者ギルドはその災獣を倒したいようだ。
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