64 / 109
第64話
しおりを挟む
私は平原で魔物達の大襲撃に備えているけど、かなり緊張していた。
「これから……魔物の大軍が、王都に向かって侵攻するのですね」
今までの襲撃も相当な数だったけど、私とアインと冒険者の人達なら問題なかった。
最初に襲撃を対処した時は驚いたもので、それより規模が大きいと不安になってしまう。
「俺がいますし、セリスは何も心配することはありません……今までの魔物の群れの襲撃とやることは同じ、時間が数日かかるというだけです」
実際は今回の魔物達は強くなっているようだけど、私を安心させるためにアインが説明してくれる。
冒険者ギルドとしても最善を尽くしていたから、予想外の事態が起きない限りは王都に被害が出ることはないようだ。
不安要素があるとすれば聖女ローナとジェイク、兵士達で……何をしてきてもおかしくはない。
冒険者ギルドに頼りきりだと、サイール国の防衛力の低さが他国に知られてしまう。
聖女がいる国として有名なサイール国としては、兵士達が活躍して欲しいのだとは思う。
私の力がない聖女ローナが、活躍するとは思えない。
「……レイドロ家とクアノウ家は、終わりですね」
私は思わず呟いて――数時間後、何もない空間に亀裂が入る。
まるで扉のように亀裂が広がって……そこから現れた魔物の大軍が、王都に向かおうとしていた。
「これから……魔物の大軍が、王都に向かって侵攻するのですね」
今までの襲撃も相当な数だったけど、私とアインと冒険者の人達なら問題なかった。
最初に襲撃を対処した時は驚いたもので、それより規模が大きいと不安になってしまう。
「俺がいますし、セリスは何も心配することはありません……今までの魔物の群れの襲撃とやることは同じ、時間が数日かかるというだけです」
実際は今回の魔物達は強くなっているようだけど、私を安心させるためにアインが説明してくれる。
冒険者ギルドとしても最善を尽くしていたから、予想外の事態が起きない限りは王都に被害が出ることはないようだ。
不安要素があるとすれば聖女ローナとジェイク、兵士達で……何をしてきてもおかしくはない。
冒険者ギルドに頼りきりだと、サイール国の防衛力の低さが他国に知られてしまう。
聖女がいる国として有名なサイール国としては、兵士達が活躍して欲しいのだとは思う。
私の力がない聖女ローナが、活躍するとは思えない。
「……レイドロ家とクアノウ家は、終わりですね」
私は思わず呟いて――数時間後、何もない空間に亀裂が入る。
まるで扉のように亀裂が広がって……そこから現れた魔物の大軍が、王都に向かおうとしていた。
1
お気に入りに追加
4,568
あなたにおすすめの小説
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
【完結】婚約者を寝取られた公爵令嬢は今更謝っても遅い、と背を向ける
高瀬船
恋愛
公爵令嬢、エレフィナ・ハフディアーノは目の前で自分の婚約者であり、この国の第二王子であるコンラット・フォン・イビルシスと、伯爵令嬢であるラビナ・ビビットが熱く口付け合っているその場面を見てしまった。
幼少時に婚約を結んだこの国の第二王子と公爵令嬢のエレフィナは昔から反りが合わない。
愛も情もないその関係に辟易としていたが、国のために彼に嫁ごう、国のため彼を支えて行こうと思っていたが、学園に入ってから3年目。
ラビナ・ビビットに全てを奪われる。
※初回から婚約者が他の令嬢と体の関係を持っています、ご注意下さい。
コメントにてご指摘ありがとうございます!あらすじの「婚約」が「婚姻」になっておりました…!編集し直させて頂いております。
誤字脱字報告もありがとうございます!
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
夫が大人しめの男爵令嬢と不倫していました
hana
恋愛
「ノア。お前とは離婚させてもらう」
パーティー会場で叫んだ夫アレンに、私は冷徹に言葉を返す。
「それはこちらのセリフです。あなたを只今から断罪致します」
婚約者に犯されて身籠り、妹に陥れられて婚約破棄後に国外追放されました。“神人”であるお腹の子が復讐しますが、いいですね?
サイコちゃん
ファンタジー
公爵令嬢アリアは不義の子を身籠った事を切欠に、ヴント国を追放される。しかも、それが冤罪だったと判明した後も、加害者である第一王子イェールと妹ウィリアは不誠実な謝罪を繰り返し、果てはアリアを罵倒する。その行為が、ヴント国を破滅に導くとも知らずに――
※昨年、別アカウントにて削除した『お腹の子「後になってから謝っても遅いよ?」』を手直しして再投稿したものです。
【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います
りまり
恋愛
私の名前はアリスと言います。
伯爵家の娘ですが、今度妹ができるそうです。
母を亡くしてはや五年私も十歳になりましたし、いい加減お父様にもと思った時に後妻さんがいらっしゃったのです。
その方にも九歳になる娘がいるのですがとてもかわいいのです。
でもその方たちの名前を聞いた時ショックでした。
毎日見る夢に出てくる方だったのです。
初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる