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第43話

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ジェイク視点

 ローナを黙らせて、俺は本題に入る。

「魔物の襲撃に関しては、俺とローナの調子が悪いことにするしかない……冒険者共が対処するだろう」

 陛下は、警戒すべきは襲撃の後に起こる大襲撃だと言っていた。

 今までの襲撃とは規模が相当違うようで、冒険者共だけでは抑えきれないようだ。

 魔物の大群が何もない空間から発生することは聞いていて……冒険者ギルドが詳しく調査することで、日が近づくといつ起こるのか発覚するらしい。

 最初の襲撃の時点で人々を避難させて、被害を抑えようと行動する国もあるようだ。

 サイール国が何もせず普通の日常を過ごしているのは、聖女ローナが活躍したせいだろう。

「大襲撃は早ければ1カ月後には起こると陛下が言っていたから……それまでにセリスを捜索して連れ戻す。それ以外に俺達の選択はないだろう!」

 これから何度か起こる魔物の襲撃は、大襲撃に備えてと言い訳をするしかない。

 問題は大襲撃が発生した時で――それまでの間にセリスを連れ戻さなければ、俺達は間違いなく終わりだった。
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