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第22話

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ジェイク視点

 兵士達に護衛されている俺とローナは、遠目に魔物の群れを見る。

「本来は雇われている平民の冒険者共が防衛するべきだが、被害を出さないよう万全にしたいと冒険者ギルドは陛下に頼んだようだな」

「私の、聖女の力を頼りたかったのでしょう。冒険者も対して役に立ちませんわね」

 兵士達が対処する場所にも冒険者の姿が見えて、やる気に満ちている。

 他の場所にも発生している魔物の群れによる襲撃を対処しているから、俺達が担当する場所は冒険者の数が少ないようだ。

 聖女の力を借りたいと頼んだ冒険者ギルドは無能集団だと、この時の俺は考えてしまう。

 そして――魔物の群れとの戦いが始まり、俺は膨大な魔力をローナに与える。

 俺の魔力を得たローナが聖女の力で兵士達を強化して、冒険者には一切魔法を使わなかった。

 平民の冒険者の力を借りなくとも、俺の魔力と聖女ローナの力で強化された兵士達なら問題ない。

 回復魔法も兵士達だけに使い、負傷した冒険者は無視して魔物の群れを倒していく。

 結果的に兵士達が冒険者達よりも活躍して、俺達は冒険者達を蔑み見下していた。

 結果を陛下に報告すると貴族達から期待されるようになり、信頼を得ることに成功する。

 セリスの魔力を全て奪って正解だったと俺は考えて――魔力を奪ってから、1週間が経とうとしていた。
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