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第7話

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 冒険者になると私が言うと、アインは喜んでいた。

「本当ですか! 俺としてもセリスが心配でしたから、傍にいられることが嬉しいです」

「私も傍にいて欲しいと思っています。偶然、アイン様がこの国にいたことは幸運です」

 そう言うと――アインの表情が変化する。

 何かを言い辛そうにしていたけど、私が尋ねる前に話してくれた。

「……セリスは、この国で何が起きているかご存知ですか?」

「いいえ、何も知りません」

「はい。それが普通です……これからこの大陸で魔物の大群による襲撃が確実に起こり、この国が狙われる可能性が高いです」

「魔物の大群ですか?」

 初耳で驚くと、頷いてアインの話が続く。

「はい。最近はこの周辺で魔物が活発になっていて、冒険者ギルドが調査して確実に起こる出来事と判明しました」

 魔物――その名の通り魔力を持った生物で、人々の感情を糧としているらしい。

 負の感情の方が好みだから人を襲う化物だけど、知性があるからこそ人の多い場所を狙わないと聞いたことがある。
 それでも大群になると、人の多い街や村でも襲撃するようだ。

 そして数十年に一度、魔物の大軍による襲撃がどこかで起こることは知っていたけど……この国、サイール国が狙われているかもしれないことに驚いてしまう。

 驚いた後、私は考える。
 それなら――ジェイクが私の魔力を全て奪ったのは、魔物の大群に備えていたのかもしれない。
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