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第4話

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 街に着いた時には日が暮れそうで、私は宿に向かっていた。

 宿に到着して――料金を払ってから宿を出た私は、冒険者ギルドに到着する。

 受付の人にアインがまだ冒険者なのか確認して欲しいと頼み、私は不安になっていた。

 数年前――私は負傷している冒険者アインに出会い、回復魔法で治したことがある。

 あの時はお互い幼くて、アインは短い赤髪の美少年だった。
 アインはかなり優秀で有名な冒険者のようで、ずっと1人で活動していたと聞いている。

 回復する魔法薬も尽きていたようで、アインは絶体絶命だったらしい。
 そこを私が助けたことで、私が困った時は必ず力になると言ってくれたけど……もう数年前のことだ。

 あの頃から妹ローナのことで困っていたけど、アインには話していなかった。
 そこまで困っていなかったからだけど……今は、アインの力が必要だと考えている。

 問題は数年前ということで、アインがどうなっているのかが解らない。

 アインは「有名だから冒険者ギルドで名前を出せば、どこにいるか教えてくれるはずです」と言っていたから、私はその通りにしていた。

 そして受付の人は、私に話す。

「アイン様は今、この国で活動しています」

「えっ……」

「依頼が終わるとここに来ますので、アイン様が冒険者ギルドに来た際に、セリス様が来たことを報告致します」

「はい。よろしくお願いします」

 私は宿の場所を伝えて、冒険者ギルドを後にする。

 同じ名前の別人の可能性もあるから、会わないと安心できない。
 それでも……アインと会えるかもしれないと考えると、私は嬉しくなっていた。

■◇■◇■◇■◇■

 翌日――後2日すれば、私の魔力が戻っているはず。

 昨日は馬車で仮眠程度だったから長く寝てしまい、起きた時には昼過ぎになっている。

 昼食を終えて、冒険者ギルドに行こうと宿を出た時――私の前には、1人の美少年が立っていた。

「セリス様……お久しぶりです」

 短い赤髪の美少年で、私より背が高い。
 数年前は同じぐらいだったけど、かなり伸びたようだ。

「貴方は……アインですか?」

「はい。数年前、貴方に助けられたアインです」

 私が尋ねると、アインは頷いて微笑みを浮かべている。
 数年前の出来事だけど――アインも覚えていたことに、私は安堵していた。
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