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第25話
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魔法道具の変装はせず、私はルクルの姿でエドガーとベネサを見下ろす。
私とユアンの目の前には、床を這って動けないでいるベネサ達の姿があった。
ベネサは顔だけ上げて、変装を止めている私を睨んで叫ぶ。
「ルクルッ! 貴方のせいで、私の計画は滅茶苦茶よ!!」
「その計画は、他国で働く優秀な魔法使いの人達の魔力を奪って行われていました」
「うっっ……そんなの、ルクルの勝手な妄想よ!」
私の発言を、ベネサは認めようとしない。
呆れていると、隣にいたユアンがレンズを取り出した。
「うぅっ……そ、その魔法道具は!?」
「妄想というのなら、この魔法道具で確認するとしよう」
そう言って、ユアンがレンズ越しにベネサを眺める。
そして魔力の流れを把握して、ユアンが説明した。
「ベネサの体内には、他の人の魔力が流れている。被害者の人達を確認すれば、同じ魔力の波長と断定できるだろう」
「それは……」
今までは認めなかったけど、魔法道具で証明できている。
信じようとしなくても、魔力を見極める魔法道具の性能は本物だ。
ベネサは今まで疑われている状態で、それを証明する魔法道具がある。
そうなれば聖女の立場だとしても、処罰されるのは間違いなかった。
私とユアンの目の前には、床を這って動けないでいるベネサ達の姿があった。
ベネサは顔だけ上げて、変装を止めている私を睨んで叫ぶ。
「ルクルッ! 貴方のせいで、私の計画は滅茶苦茶よ!!」
「その計画は、他国で働く優秀な魔法使いの人達の魔力を奪って行われていました」
「うっっ……そんなの、ルクルの勝手な妄想よ!」
私の発言を、ベネサは認めようとしない。
呆れていると、隣にいたユアンがレンズを取り出した。
「うぅっ……そ、その魔法道具は!?」
「妄想というのなら、この魔法道具で確認するとしよう」
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「それは……」
今までは認めなかったけど、魔法道具で証明できている。
信じようとしなくても、魔力を見極める魔法道具の性能は本物だ。
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