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第38話

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 私はオリドスが雇った魔法使い達を倒し、ヨハンの前に立つ。

 正面には恐怖しているオリドスがいて……私は威圧しながら言う。

「オリドス様は魔法使いを雇い、誰にも知られずヨハン様の屋敷に侵入しました」

「そ、それがどうした!?」

「今、オリドス様がここにいることを知っているのは私達だけ……私の魔法なら、オリドス様達を完全に消滅させることもできます」

 今までは命まではとらなかったけど、今日は違う。

 オリドスも脅しで言っているわけではないと理解したようで、焦りながら叫ぶ。

「待て! そんなことをすればどうなるかわからんぞ!?」

「叫んで屋敷の人に助けを求めたいようですけど、この部屋の外には音が出ないようにしています……私は、絶対に許さないと言いました」

 そう言って敵意と魔力を強めると、オリドスの顔が青くなる。

 絶望しているオリドスは、恐怖しながら私を眺めた。

「なっっ……今まで悪かった! 許して――」

 今更もう遅いと考えた私は魔法を使おうとして……ヨハンが、私の前まで来ていた。

「オリドス様を消すために、貴方が手を汚す必要はありません」

 ヨハンがそう言ってくれたことで、私はオリドスを消すことを止めることができていた。
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