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第22話
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ヴァン視点
時間は少し遡り、俺はサフィラに謝罪するため応接室で頭を下げた。
「エイダが間違っていた……サフィラの力が凄いと知って、俺は反省している。すまなかった!」
サフィラは侯爵令息のセインより、王子の俺を選ぶに決まっている。
そのために謝罪したのに……サフィラの発言を聞き、俺は驚愕していた。
「そうですか。用件を終えたなら、ヴァン殿下は帰ってください」
サフィラは俺が謝罪しても、セインと婚約したと言い出す。
俺は焦りセインに命令すると、返答に驚くこととなる。
「セインよ! 貴様がサフィラを説得しろ!!」
「……ヴァン殿下、貴方は謝罪するためにここへ来たのではなかったのですか?」
「黙れ! お前は王家を敵に回すこととなるぞ!!」
「それはありえません。私達はこの前の活躍を、陛下から評価されています」
「なっっ!? なんだと!?」
何も知らされていないが、俺は父の発言を思い返す。
サフィラの居場所がわかった後でも、俺に連れ戻せと命令していない。
それは……国王が諦めたからで、俺が屋敷に行くのは普通に謝罪するためだと思っていそうだ。
俺はセインの発言を聞き、何を言っても無意味だと理解する。
父の国王が納得しているのなら、俺の言動は余計なことでしかなかった。
その後は城へ戻り、俺は現状に焦る。
精神的に追い詰められていた時――今日の出来事を聞いたエイダが、俺に提案した。
時間は少し遡り、俺はサフィラに謝罪するため応接室で頭を下げた。
「エイダが間違っていた……サフィラの力が凄いと知って、俺は反省している。すまなかった!」
サフィラは侯爵令息のセインより、王子の俺を選ぶに決まっている。
そのために謝罪したのに……サフィラの発言を聞き、俺は驚愕していた。
「そうですか。用件を終えたなら、ヴァン殿下は帰ってください」
サフィラは俺が謝罪しても、セインと婚約したと言い出す。
俺は焦りセインに命令すると、返答に驚くこととなる。
「セインよ! 貴様がサフィラを説得しろ!!」
「……ヴァン殿下、貴方は謝罪するためにここへ来たのではなかったのですか?」
「黙れ! お前は王家を敵に回すこととなるぞ!!」
「それはありえません。私達はこの前の活躍を、陛下から評価されています」
「なっっ!? なんだと!?」
何も知らされていないが、俺は父の発言を思い返す。
サフィラの居場所がわかった後でも、俺に連れ戻せと命令していない。
それは……国王が諦めたからで、俺が屋敷に行くのは普通に謝罪するためだと思っていそうだ。
俺はセインの発言を聞き、何を言っても無意味だと理解する。
父の国王が納得しているのなら、俺の言動は余計なことでしかなかった。
その後は城へ戻り、俺は現状に焦る。
精神的に追い詰められていた時――今日の出来事を聞いたエイダが、俺に提案した。
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