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第11話

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ヴァン視点

 王家がサフィラを捜索してから、1ヶ月が経っている。
 俺は玉座のある部屋に呼び出されて、父が激怒して叫ぶ。

「ヴァンよ! サフィラ様はまだ見つからないのか!!」

「はっ、はい……周辺の国も調べさせているのですが、手がかりがありません」

 サフィラは生活のため、貴族の領地を強化するため魔法を使うはず。
 急激に繁栄した貴族の家を調べさせたが、そんな家は国内にはなかった。

 今は他国の貴族達を調べているが、サフィラが領地の魔力を強化する魔法を使った形跡はない。
 何が起きているのか理解できず、俺は焦っていた。
 日が経つと怒りが増していく父が、頭を抱えて叫ぶ。

「これからこの国に、強力なモンスターの群れがやって来るらしい……最悪の事態だ!」

 実際はリレック伯爵領の惨状が原因で、モンスター達が絶好の機会と思ったからだ。
 そんなことを俺達は知らないから、不運にも最悪の事態になったと考えてしまう。

「モンスターの群れが来る前に、サフィラを見つけてみせます!」

「捜索を続けるのは当然だが……今までの活躍から、士気を上げるためにエイダは前線に出てもらう! 拒否することはできんぞ!!」

「そんな……今のエイダでは、何の役にも立ちません!」

「そんなことはわかっている! 婚約者のお前も前線に出てもらうぞ! 嫌ならサフィラ様をこの場に連れてこい!!」

「うっっ……わかりました」

 俺の発言を聞くと父の怒りが増したから、何を言っても怒らせるだけだと理解している。
 その後――俺とエイダは、モンスターの群れと戦うことになっていた。
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