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第49話
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村の中に入れたくなかったから、私とリオウ、ジークは村の外に向かう。
そして――村に入ろうとしていた兵隊の姿が見えて、私を見て号令をかけていた。
護衛を連れてラミダとケドスが私達の前までやって来たけど……元家族はラミダだけのようだ。
「アミリア、ようやく見つけた……貴方のせいで! 私達は破滅寸前よ!」
「貴様が消えてから、聖獣リオウは懐かなくなった……どうしてくれるつもりだ!!」
ラミダとケドスが私に対して叫ぶけど、そこまで追い詰められていたのかもしれない。
ジークが剣を抜きそうになるけど、私の発言を待ってくれているようだ。
「その男は村の用心棒か? この数を相手に勝てるわけがない……目障りだから消えてくれ」
ケドスがジークを見下して告げるけど、何も知らないからこその発言だ。
兵士はかなり多勢だけど、ジークはケドスに告げる。
「断る。消えるのは貴様等の方だろう」
「なっ……村に住む平民は、俺が誰だかわからないようだな!」
「無駄な抵抗は止めた方が身の為よ。アミリア、そこの男を守りたいのなら、この首輪を着けなさい!」
そう言って――私を支配しようとした首輪を、ラミダが見せてくる。
ジークも限界がきていそうだから、私はラミダ達に宣言した。
「お断りします。ラミダ、今すぐここから去りなさい」
「なっっ……!? アミリア、正気なの!?」
私が拒むと――それが予想外のようで、ラミダとケドスは驚いていた。
そして――村に入ろうとしていた兵隊の姿が見えて、私を見て号令をかけていた。
護衛を連れてラミダとケドスが私達の前までやって来たけど……元家族はラミダだけのようだ。
「アミリア、ようやく見つけた……貴方のせいで! 私達は破滅寸前よ!」
「貴様が消えてから、聖獣リオウは懐かなくなった……どうしてくれるつもりだ!!」
ラミダとケドスが私に対して叫ぶけど、そこまで追い詰められていたのかもしれない。
ジークが剣を抜きそうになるけど、私の発言を待ってくれているようだ。
「その男は村の用心棒か? この数を相手に勝てるわけがない……目障りだから消えてくれ」
ケドスがジークを見下して告げるけど、何も知らないからこその発言だ。
兵士はかなり多勢だけど、ジークはケドスに告げる。
「断る。消えるのは貴様等の方だろう」
「なっ……村に住む平民は、俺が誰だかわからないようだな!」
「無駄な抵抗は止めた方が身の為よ。アミリア、そこの男を守りたいのなら、この首輪を着けなさい!」
そう言って――私を支配しようとした首輪を、ラミダが見せてくる。
ジークも限界がきていそうだから、私はラミダ達に宣言した。
「お断りします。ラミダ、今すぐここから去りなさい」
「なっっ……!? アミリア、正気なの!?」
私が拒むと――それが予想外のようで、ラミダとケドスは驚いていた。
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