私を追い出した結果、飼っていた聖獣は誰にも懐かないようです

第１３話

　翌日――昼食を終えて、ジークが村から出ようとしていた。

　私とリオウは村の外までジークを見送り、私は名残惜しさを感じてしまう。

　出会って日は浅いけど、日数は関係ない。

　ジークはリオウを助けてくれて、動物のことが大好きな人だ。
　威圧感があったけど、話をしている内に優しい人だとすぐにわかる。

　そして……ジークは、私とリオウの話を嬉しそうに聞いてくれた。

　――私はジークのことが、好きになっている。
　ジークが村から去ろうとした時に、私は自分の気持ちを理解することができていた。

「……ジーク。また、会えますか？」

　別れの挨拶の前に私が尋ねると、ジークが頷く。
　
「ああ……時々俺は、アミリアとリオウに会いに来ていいだろうか？」

「えっ？」

「その……俺と意志疎通ができる動物と出会えたのは初めてで、とても嬉しかった」

　そう言って、ジークはリオウを見て笑顔を浮かべる。

　……私に会いに来て欲しかったけど、ジークはリオウのことが大好きだ。

　今はそれでいいと考えて、私は頷いて返答する。

「はい！　私はいつでも、ジークをお待ちしています！」

『私も、ジークを待っています』

　ジークがまた村に来てくれると知り、私の声は弾んでいる。

　冒険者がやって来てくれたことで村に被害はなくて……ジークと出会えてよかったと、私は想っていた。