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第10話

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 ジークはリオウの声が解るようで、私は尋ねる。

「今まで、私以外にリオウの言葉が解る人はいなかったけど……ジークはわかったの?」

「ああ……しかし、冒険者でもリオウの言葉が解るのは俺ぐらいしかいないだろう」

 魔力を与える方法を教わっていた時、私はジークについて聞いている。

 ジークは動物が好きで、モンスターから守る為に冒険者になっていた。
 モンスターは人や動物を襲う為に生まれた存在だから、狩るしかないと割り切っているようだ。

 ジークは魔力を宿している動物についても調べていたからこそ、リオウの発言の意味も解ったのかもしれない。

「今のリオウは聖獣が作っている分身のようだな……理由は聞かないし、誰にも言うつもりはない」

 どうやら私達と話して、リオウが聖獣だとジークは察したようだ。
 気遣ってくれるジークに、私達はお礼を伝える。

「ジーク、ありがとう」

『ありがとうございます』

「気にしなくていい……今、この国は大地の主が様々な場所で発生しているようだ」

 そしてジークは、この国の現状を教えてくれる。
 私達は周辺のことしか知らなかったけど……それなら王家や貴族達は、ファクド男爵家に助けを求めていそうだ。

『私の本体は聞いていません。恐らくラミダ達が隠しているのでしょう』

「そのようだ。聖獣リオウを飼っている貴族は「聖獣の調子が悪いから戦わせない」と言い張って評判が悪くなっているようだが……本来は王家や依頼を出し冒険者が対処する問題だから、リオウが気にすることはない」

『はい。私はもう、ファクド家に協力する気はありません』

 ジークから話を聞いて、私達は元家族が大変な目に合っていると知る。

『ここ最近、ラミダ達が必死になっていた理由がわかりました』

 リオウを従わせるために、ラミダ達が様々な方法をとっていることは聞いている。

 ラミダ達はまだリオウが懐くと考えて行動していることに、私は呆れるしかなかった。
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