婚約者の命令により魔法で醜くなっていた私は、婚約破棄を言い渡されたので魔法を解きました

第６３話

　私はメリタの魔法を防いで――反撃に出る。

　人を傷つけたことはなくて、今まで魔法で攻撃することはできなかった。

　私は魔法による光を、メリタに浴びせる。

　光を受けたメリタは、何が起きたのか理解したようだ。

「そんな！？　ルーミエ様は知っていたのですか！？」

「私を支配すると言ったことで、思いついただけです」

　そう言って――私は、肉体を変化させる魔法をメリタに使う。

　メリタは一気に太り、動けなくなっていた。

「肉体が変化すると体を巡る魔力の流れも変わって、慣れるのに時間がかかります」

　それはつまり、その間は魔法が使えなくなるということだ。

「うっっ……うぅぅっ……」

　太ったメリタは動けなくなって、苦しそうな呻き声を漏らす。

　私も最初は魔法が使えなくなり、徐々に慣れていたけど――他者に使うと、ここまで強力な魔法になるなんて考えていなかった。

「私でも、１週間は魔法が使えませんでした……初見なら魔法を使えなくする。こんな使い方があったのですね」

　肉体を変化させる魔法の新しい使い方を試すことで、メリタを対処することに成功していた。