婚約者の命令により魔法で醜くなっていた私は、婚約破棄を言い渡されたので魔法を解きました

第４４話

バハムス視点

　俺はメリタのこれからの行動を聞き、驚くしかない。

「そ、そんなことができるのか……？」

「はい。ジトア様とルーミエ様の言動から、問題ありません」

　断言するメリタだが、計画の内容はかなり無茶があると思うしかない。

　それでも――メリタなら、可能なのではないかと考えているのも事実だ。

「問題ないか。俺としては信じられないな」

「信じてもらうしかありません……ルーミエ達は、バハムス様を侮辱したようなものです」

「メリタ……」

　困惑していると、メリタが悔しそうな表情を浮かべる。

　両手を力強く握りしめ、震えた声で俺に話す。

「最愛のバハムス様を侮辱した……私は、ルーミエ達が許せません」

　メリタがここまで考えたのは、俺の為だと言ってくれた。

　それが一番嬉しくて――俺はメリタの策通りに動こうと、強く決意していた。