婚約者の命令により魔法で醜くなっていた私は、婚約破棄を言い渡されたので魔法を解きました

第３５話

　午後の授業は魔法薬の作成があって、これは知識だけだから前の時も問題なくできていた。

　授業で聞いていた通りに調合すれば、問題なく終わる。

　私はジトアと一緒に授業を受けているけど、かなり注目されている。

　そして――教室が一気に白い霧に包まれて、大騒ぎになっていた。

　事前に警戒していたから、私は冷静に状況を把握する。

　この霧は魔法薬が失敗した時の現象だけど、本来失敗しても教室を包むほどではない。

　それなのに、一気に白い霧が発生したことで――教室内はパニックとなっていた。

「落ち着いてください！　これは無害です！！」

　先生が叫び、私とジトアも無害だと理解できている。

　ただの魔法道具による事故だと考えたけど、今までのことから警戒していた。

　そして――私の死角から魔法による攻撃が迫り、反射的に対処する。

「……えっ！？」

　私が叫び、魔法の飛んできた方向からも同じ叫び声が聞こえた。

　どうやらマーサが奇襲してきたようで、対処されたことに驚いているようだ。

　そして――マーサの苦し気な声が聞こえて、傍にいたジトアが離れていることに気づく。

　私が魔法を対処している間に、ジトアはマーサを抑えたようだ。