婚約者の命令により魔法で醜くなっていた私は、婚約破棄を言い渡されたので魔法を解きました

第２８話

バハムス視点

　俺の屋敷にマーサを呼び、メリタと一緒に話をすることにしていた。

　ルーミエが本来の実力を発揮するようになってから、マーサはおかしくなっている。

　自分の立場を脅かすルーミエを強く憎み、最初は追い越そうと必死になっていたが……それにより、力の差を理解したようだ。

　それでも学年で一番成績がよかった女生徒という立場を奪われたことが許せず、どんな手段を使ってもルーミエを貶めたくなっているらしい。

　マーサが応接室に来るまでに、俺はメリタに聞いておきたいことがある。

「メリタよ。マーサは本当に計画通り動くのだろうか？」

　計画の内容的に、失敗した場合は全てマーサが悪いことになる。

　俺やメリタは処罰されることはなさそうだが、マーサが命令通り動くかが問題だ。

　それが不安になってしまうと、メリタが微笑みを浮かべて話す。

「動きますよ……マーサ様は、私の命令を絶対に聞きます」

「そうなのか？」

「はい。私の忠実な部下です」

　年上であそこまで魔法の成績がいい生徒を、メリタは部下にしている。

　それに少し恐怖していると――マーサが、屋敷にやって来ていた。