婚約者の命令により魔法で醜くなっていた私は、婚約破棄を言い渡されたので魔法を解きました

第２３話

　私はジトアからメリタについての話を聞いて、不安になってしまった。

　メリタはバハムスの婚約者になっているけど、ジトアは詳しすぎる気がする。

　話を聞いて――ジトアはメリタの魔法や行動しかみていなさそうで、安堵していた。

　そんな私を眺めて、ジトアが尋ねる。

「ルーミエは何か悩んでいることがありそうだ。もしよければ話して欲しい」

　ジトアが尋ねたことで、私は驚いてしまう。

　どうやら不安が顔に出ていたようで、ジトアは心配している様子だ。

　悩んでいることは主にジトアのことだけど、私は正直に話すことができない。

　ジトアが私を見てくれたことが嬉しくて、私は他のことを話す。

「いえ……少し、気になることがありました」

「バハムスの婚約者になってから、問題行動は起こしていないようだが……気になることがあるのか？」

「メリタ様も気になりますけど……最近、他にも気になることがあります」

　そう言って――私はここ数カ月で起きている他の問題について、ジトアに話そうとしていた。