婚約者の命令により魔法で醜くなっていた私は、婚約破棄を言い渡されたので魔法を解きました

天宮有

文字の大きさ
上 下
17 / 68

第17話

しおりを挟む
バハムス視点

 翌日――ルーミエの変化は、学園内で話題になっていた。

 そして俺は、ジトアがルーミエと話をしている姿を目撃する。

 同学年で一番優秀な生徒のジトアは、ルーミエの発言が真実だと確信しているようだ。

 そんなことはありえないと考えた俺は、即座にルーミエの席に向かい叫ぶ。

「ジトアもルーミエも何を言っている!? ルーミエの成績は変わりはしない!!」

 ルーミエの見た目が変化して、その理由が俺が命令したからだと夜会にいた貴族達は知っている。

 とにかくルーミエの発言を否定しなければ、俺の精神は安定しなかった。

 そう考えて叫ぶと――俺の前にジトアが立ち、発言を否定してくる。

 それでも俺は、この状況はルーミエが焦るに違いないと考えていた。

 確信しているジトアの前で魔法を失敗すれば、ジトアの評判も落ちる。

 どうせ魔法の成績は変わらないが、俺は念押しするようにルーミエを精神的に追い詰めていく。

 そして、魔法を扱う授業が始まり――ジトアの発言が真実で、俺は陰で非難されることとなっていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢の私が婚約破棄?いいでしょう。どうなるか見ていなさい!

有賀冬馬
恋愛
マリアンヌは悪役令嬢として名高い侯爵家の娘だった。 そんな彼女が婚約者のシレクサ子爵から婚約破棄を言い渡される。 しかし彼女はまったくショックを受ける様子もなく……

釣り合わないと言われても、婚約者と別れる予定はありません

しろねこ。
恋愛
幼馴染と婚約を結んでいるラズリーは、学園に入学してから他の令嬢達によく絡まれていた。 曰く、婚約者と釣り合っていない、身分不相応だと。 ラズリーの婚約者であるファルク=トワレ伯爵令息は、第二王子の側近で、将来護衛騎士予定の有望株だ。背も高く、見目も良いと言う事で注目を浴びている。 対してラズリー=コランダム子爵令嬢は薬草学を専攻していて、外に出る事も少なく地味な見た目で華々しさもない。 そんな二人を周囲は好奇の目で見ており、時にはラズリーから婚約者を奪おうとするものも出てくる。 おっとり令嬢ラズリーはそんな周囲の圧力に屈することはない。 「釣り合わない? そうですか。でも彼は私が良いって言ってますし」 時に優しく、時に豪胆なラズリー、平穏な日々はいつ来るやら。 ハッピーエンド、両思い、ご都合主義なストーリーです。 ゆっくり更新予定です(*´ω`*) 小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿中。

真実の愛は、誰のもの?

ふまさ
恋愛
「……悪いと思っているのなら、く、口付け、してください」  妹のコーリーばかり優先する婚約者のエディに、ミアは震える声で、思い切って願いを口に出してみた。顔を赤くし、目をぎゅっと閉じる。  だが、温かいそれがそっと触れたのは、ミアの額だった。  ミアがまぶたを開け、自分の額に触れた。しゅんと肩を落とし「……また、額」と、ぼやいた。エディはそんなミアの頭を撫でながら、柔やかに笑った。 「はじめての口付けは、もっと、ロマンチックなところでしたいんだ」 「……ロマンチック、ですか……?」 「そう。二人ともに、想い出に残るような」  それは、二人が婚約してから、六年が経とうとしていたときのことだった。

婚約者に「愛することはない」と言われたその日にたまたま出会った隣国の皇帝から溺愛されることになります。~捨てる王あれば拾う王ありですわ。

松ノ木るな
恋愛
 純真無垢な心の侯爵令嬢レヴィーナは、国の次期王であるフィリベールと固い絆で結ばれる未来を夢みていた。しかし王太子はそのような意思を持つ彼女を生意気と見なして疎み、気まぐれに婚約破棄を言い渡す。  伴侶と寄り添う心穏やかな人生を諦めた彼女は悲観し、井戸に身を投げたのだった。  あの世だと思って辿りついた先は、小さな貴族の家の、こじんまりとした食堂。そこには呑めもしないのに酒を舐め、身分社会に恨み節を唱える美しい青年がいた。  どこの家の出の、どの立場とも知らぬふたりが、一目で恋に落ちたなら。  たまたま出会って離れていてもその存在を支えとする、そんなふたりが再会して結ばれる初恋ストーリーです。

真実の愛のお相手に婚約者を譲ろうと頑張った結果、毎回のように戻ってくる件

さこの
恋愛
好きな人ができたんだ。 婚約者であるフェリクスが切々と語ってくる。 でもどうすれば振り向いてくれるか分からないんだ。なぜかいつも相談を受ける プレゼントを渡したいんだ。 それならばこちらはいかがですか?王都で流行っていますよ? 甘いものが好きらしいんだよ それならば次回のお茶会で、こちらのスイーツをお出ししましょう。

【完結】わたくしと婚約破棄して妹と新たに婚約する? いいですけど、ほんとうにその子でいいんですか?

井上 佳
恋愛
ある日突然、婚約破棄を言い渡されるイエリ。 その場には、何故か従姉妹が一緒になって並んでいた。 「お前との婚約は破棄してシュナと婚約する!」 「私が新しい婚約者ですわっ」 ほんとうに、それでいいんですか? ※よくある設定ですが完全オリジナルです。 ※カムバック短編です。 ※他サイトでは+苗字で掲載中

妹のために愛の無い結婚をすることになりました

バンブー竹田
恋愛
「エミリー、君との婚約は破棄することに決まった」 愛するラルフからの唐突な通告に私は言葉を失ってしまった。 婚約が破棄されたことはもちろんショックだけど、それだけじゃない。 私とラルフの結婚は妹のシエルの命がかかったものでもあったから・・・。 落ちこむ私のもとに『アレン』という大金持ちの平民からの縁談が舞い込んできた。 思い悩んだ末、私は会ったこともない殿方と結婚することに決めた。

完膚なきまでのざまぁ! を貴方に……わざとじゃございませんことよ?

せりもも
恋愛
学園の卒業パーティーで、モランシー公爵令嬢コルデリアは、大国ロタリンギアの第一王子ジュリアンに、婚約を破棄されてしまう。父の領邦に戻った彼女は、修道院へ入ることになるが……。先祖伝来の魔法を授けられるが、今一歩のところで残念な悪役令嬢コルデリアと、真実の愛を追い求める王子ジュリアンの、行き違いラブ。短編です。 ※表紙は、イラストACのムトウデザイン様(イラスト)、十野七様(背景)より頂きました

処理中です...